このページにお越しいただきありがとうございます。川廷昌弘(かわていまさひろ)です。写真集「松韻を聴く」の出版に際し、10年ぶりに個展を開催します。

クロマツのある風景を「松韻」と名付けて2000年から作品を撮り続け、2009年に新宿と大阪のニコンサロンで個展「松韻〜劉生の頃〜」(ポートフォリオページへ)を開催。その後、東日本大震災によって被災した風景が「松韻」についてさらに考える機会を与えてくれました。2013年から2019年にかけて、時間を作っては北は青森県から南は茨城県まで車中泊で撮影を続けました。そして、蒼穹舎の大田通貴さんに背中を押してもらい、震災から10年が経つ節目に発表することになりました。今後も「松韻」を撮り続ける思いを強くしているところです。

この震災から10年の節目は偶然ではありますが思いがあります。僕は、1995年の阪神淡路大震災で実家の芦屋の家でタンスの下敷きになりました。1991年から撮り始めた生まれ故郷の芦屋を震災から10年後の2005年まで撮り続け、やはり大田通貴さんに見てもらい2005年に蒼穹舎から出版した写真集「一年後の桜」(ポートフォリオページへ)。これは被災した当事者が故郷を淡々と見つめるものでした。今回は訪問者であり立場の違いはありますが、災害大国に住む者として表現することは共通した考えです。

僕のモノクロ作品は全て、今は亡き親父の愛機であった1971年製造のハッセルブラッド 500Cにプラナー80mm1本で撮影しています。今年で50歳になる機材を愛用し続けています。

持続可能性という言葉や、持続可能な開発目標(SDGs)が非常に注目される昨今です。そんな最中に新型コロナウイルス感染症という目に見えない災害によって、さらに持続可能な社会はどうあるべきかということが日常的に会話するようになってきました。今回の展示は、クロマツの持つ生命力が、暮らしを守る風景や未来に残すべき風景とはどんな風景なのかを考えさせてくれているように感じています。こうして一歩一歩、表現者として前進していくのでしょうね。

この「松韻を聴く」への想いをブログに書いていますので読んでいただけたら嬉しいです。そして、コロナの緊急事態宣言が続く中ですので不要不急ではない外出のついでに、体調が良く感染対策も万全でしたら個展会場にもお運びいただけたら嬉しいです。

 

写真展「松韻を聴く」

会場:ギャラリー蒼穹舎(新宿区新宿1-3-5 新進ビル3F)

日時:2021年2月22日(月)−3月7日(日)13:00-19:00

在廊予定:2月22日、23日、27日、28日、3月3日、6日、7日。

会期中無休・入場無料

tel:03-3358-3974

 

写真集「松韻を聴く」

2021年2月21日 蒼穹舎より発売(amazonのページへ)

W262 x H244mm 上製本74ページ

3,600円+税

 

ギャラリー蒼穹舎の展示風景

「松韻を聴く」のポートフォリオページはこちら。