写真集「松韻を聴く」の出版に際し、10年ぶりに個展を開催します。

2000年から、自分の暮らしに寄り添ってくれるクロマツのある風景を「松韻」と名付けて作品を撮り続け、2009年に新宿と大阪のニコンサロンで個展「松韻〜劉生の頃〜」を開催していますが、その後、東日本大震災によって被災した風景が「松韻」についてさらに考える機会を与えてくれました。そして、蒼穹舎の大田通貴さんに見てもらい震災から10年が経つ節目にこのような形で発表することになりました。今後も「松韻」を撮り続ける思いを強くしているところです。

この震災から10年の節目は偶然ではありますが意図があります。僕は、1995年の阪神淡路大震災で実家の芦屋の家でタンスの下敷きになり、1991年から撮り始めていた生まれ故郷である芦屋を震災10年後の2005年まで撮り続け、やはり大田通貴さんに見てもらい2005年に蒼穹舎から出版した写真集「一年後の桜」。これは被災した当事者が故郷を淡々と見つめるものでした。今回は部外者で立場の違いはありますが、地震大国に住む者として表現することは共通した考えです。

持続可能性という言葉や、持続可能な開発目標(SDGs)が非常に注目される昨今です。そんな最中に新型コロナウイルス感染症という目に見えない災害によって、さらに持続可能な社会はどうあるべきかということが日常的に会話するようになってきました。災害によって暮らしは徹底して脅かされてきました。今回のこの発表は、僕が写真家として30年にわたって「暮らしを守る風景とはどうあるべきなのか」を表現することを模索してきたんだと思考が整理できる機会となりました。

この「松韻を聴く」への想いをブログに書いていますので、ぜひ読んでください。

 

写真展「松韻を聴く」

会場:ギャラリー蒼穹舎(新宿区新宿1-3-5 新進ビル3F)

日時:2021年2月22日(月)−3月7日(日)13:00-19:00

会期中無休・入場無料

tel:03-3358-3974

 

写真集「松韻を聴く」

2021年2月21日 蒼穹舎より発売

W255 x H237mm 上製本74ページ

3,600円+税